水泡

遠くに見える光が未練がましくて

自分の目尻から泡が吸い込まれていった

 

沈んでいくのはわかっていたけれど、苦しくはなくて

ゆらぎとおのく太陽をここちよく感じるほどだった

 

空気を取り上げてくれるなと願ったことはないはずで

重力を疎ましく感じていたはずで

どこまでも

 

底なしに

 

包まれていくことを、

願っていた

 

涙と

吐息だけ

太陽に預けて、あとは私のものだから

私の腕に抱えられるから

 

この喉が締め付けらられるような胸の熱は

この感情があったから私は息ができていて

呼吸さえ不要な世界では、息をする動機もいらないはずだけど

 

全身で支えていたつもりの

背中に背負っていたつもりのその荷物は

拳をそっとひろげた隙間に収まってしまって

これくらいのものならば、持っていってしまおうと

にぎりしめた

 

負と呼ぶ人もいるこの荷物を

誰にも私から奪えなくするように

私はまだきっと

いつか息を

したくなって

 

それを

諦めることが

 

できない